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北アルプス2014 秘境縦走

2014.08.11

8/11 → 8/16
折立 → 上高地 山行無事生還しました!
台風11号の動きが気になって一時は中止を決めましたが、台風一過で天気回復を期待して今回の山行は決行しました。
 
ファイル 214-1.jpg
 
▲~山行記録~▲

¶ 8/11(月)曇り
 07:30 折立→太郎平小屋→薬師峠テン場(テント設営、気温15℃)→薬師岳山荘→薬師峠テン場
 薬師岳登山口の水場は濁っていて飲めなかった。
 なだらかな登山道から振り返れば有峰湖の景色がきれいに望めた。太郎平小屋で登山届けを出し薬師沢テント場へ向かう。
 テント場でテン泊受付し明日の薬師沢の通行不可を尋ねたら問題は無かった。軽身で薬師岳へ登山に向かう。
 大きな岩が重なる沢道付近には高山植物のお花たちがいっぱい咲いていた。薬師岳はガスの為、薬師岳山荘までの往復で戻った。
 夕方、高山病のような頭痛などを感じ気分が悪かった。

¶ 8/12(火)雨のち晴れ
 05:30 薬師峠テン場→太郎平小屋→薬師沢小屋→雲ノ平アラスカ庭園→奥日本庭園→雲ノ平山荘→テン場(テント設営、気温8℃)スイス庭園、付近散策
 体調は万全、テントを撤収して太郎小屋へ向かう。
 太郎平小屋から薬師沢の木道はとても滑りやすい、沢の水流は清らかで多く無く通行に問題は無かった。
 木道で単独女性が滑って捻挫したと薬師沢小屋に連絡が有った。
 薬師沢出合から雲ノ平への直登は雨天の中とても、とても苦しかった。
 やっとの思いで、雲ノ平に上がると両太ももに痙攣と身体が寒く震えた。
 雲ノ平山荘に入り暖かい食べ物を求めたらカップラーメンしかなく頂く(400円)、悪天候が続きヘリの物資供給が不可な為だった。
 体調回復後テン場へ向かった。テント設営後、青空が出て日差しも出てきた。濡れた衣類などを干しスイス庭園などを散策。
 計画では水晶岳往復でしたが、時間的にも遅くなり断念したがスイス庭園から水晶岳の全容は楽しめた。山荘に早速ヘリが物資を運んで行ったのが見えた。
 夜、月明かりが眩しかった。星空撮影も出来たが空が明るかったので満天の星のようには撮れなかった。 

¶ 8/13(水)晴れのち曇り
 05:30 雲ノ平テン場→分岐→日本庭園→第二・第一雪田→黒部源流碑→三俣山荘-->鷲羽岳-->三俣山荘→分岐→巻き道ルート→双六小屋→テン場(テント設営、気温11℃)
 黒部源流の渡渉はロープ一本が張ってあるだけでちょっと心配でしたが難なく渡れた。まだ水流が少なく良かった。
 三俣山荘にザックを置かせてもらって軽身で鷲羽岳往復した。天気良い中、槍・穂高連峰がきれいに望めた。
 下山後三俣蓮華岳へ向かう。分岐付近で雷鳥の親子を発見。近くまで来て高山植物を食べていた。
 三俣蓮華岳から双六岳は断念し巻き道ルートを進む、大きなアップダウンは少ないものの登りは重いザックが堪えてきた。途中すれ違う人から
 双六テン場は埋まってきてると情報を聞き急いだ。双六岳の分岐からの急下りもきつかった。テン場の中央部に張れる場所を確保してテントを設営した。
 軽身で双六岳往復を思ったが山頂付近はガスにかかり気力も無くなり断念した。

¶ 8/14(木)曇りのち霧雨
 05:00 双六テン場→樅沢岳→左俣岳→西鎌尾根→千丈乗越→槍ヶ岳山荘テン場(テント設営、気温10℃)
 今回最後の登りと気合を入れてテン場を出発した。樅沢岳付近からガスに巻かれ合羽を着て登った。晴れていれば前方に槍ヶ岳を目の当たりで登れるのに
 ガスで全く見えない、時折、双六側の谷はガスが消えて望めた。何度も休みながら一歩一歩登ると屋根が見えた。西鎌尾根は所どこ鎖場は有ったが
 危険なコースでは無かった。槍ヶ岳山荘には沢山の登山者でした。でもそばに有はずの槍ヶ岳は全く姿が見えなかった。
 山荘のキッチン槍でラーメン(1000円)をいただきテン場の申し込みをした。槍ヶ岳のテン場は大喰岳方面からの稜線の岩場にテントの大きさに合わせて
 一張り毎に作られたところで16番の場所を指定された。
 携帯電話(au)の電波がここでは入り、出発以来の安否の連絡を家族に出来た。
 明日の登頂を期待して早く休んだが夜中テント内から雨が降って来ているのに目がさめた。暴雨風でテントが大きく変形し大きな音もしていた。
 ベンチレータから手を出すとフライシートが無い!飛ばされたかと思い急いで外に出て調べたら風下側のテントの淵でバタついていた。
 大きな岩にロープで固定していたが強風で外れたようだった。再度テントに被せシートの淵に岩を積み上げて風が入らないよう固定した。
 強風、暴風は明るくなっても治まらなかった。
 
  
¶ 8/15(金)風雨のち曇り
 06:00 槍ヶ岳テン場→殺生ヒュッテ→天狗原分岐→大曲→ババ平→槍沢ロッジ→横尾山荘→徳沢園テン場(テント設営、気温19℃)徳沢ロッジ入浴(600)
 テントが飛ばされないよう急いで撤去して結局、槍ヶ岳は姿を見せないまま下山した。
 こんな大荒れの中でも登ってくる登山者は絶えなかった。でもかわす挨拶には元気は無かった。大粒の雨が横から降る中、岩場を慎重に下山していった。
 ババ平の下付近で大きな雪渓の上を下った。アイゼンは着けずに両ストックで滑るのを抑えながらとても緊張して下り切りました。
 槍沢ロッジにも雨の中沢山の登山者ごったがえっていた。韓国からの学生パーティも何組か登って来られていましたが気の毒に思いました。
 徳沢に着いても雨が降っていれば徳沢ロッジに泊まりたいと思いましたが雨は次第に止んできました。
 何とか5泊目のテン泊を徳沢園の草地に設営出来ました。
 槍ヶ岳の下山も足の裏に激痛が有って下りるのも辛かったが雨で靴の中も水浸しで足の皮がふやけて破れていた。
夕方、徳沢ロッジへ5日ぶりのお風呂で汗と汚れを流した。とても混雑していたので疲れは流せなかった。ビール(350円)を買って
 最後のテント泊を楽しんだ。持ってきた自炊食料は全て消化しました。ここでは携帯電話は圏外だったので下山の連絡が出来なかった。
 草地の上はとても寝心地良かったが近くのテントからの子供たちのはしゃぎ声がちょっとうるさかった。

¶ 8/16(土)曇りのち雷雨
 10:00 徳沢園テン場→明神→河童橋→14:20上高地⇒23:55大阪梅田(20:46到着予定)
 2時間も有れば上高地のバスターミナルに行けるのでテントの中でゆっくり寛いだり徳沢園に行って名物のソフトクリームを食べたりした。
 しかしテントを撤去する前に天気は崩れ大粒の雨が降ってきた。ゆっくりも出来なくなく急いで雨の中テントを撤去して徳沢を出発した。
 雷も聞こえ雨降りはさらにひどくなってきた。遊歩道には大きな水溜りが続き、まだ痛い足に我慢しながら泥水の中を進んで行きました。
 横を流れる梓川も茶色の濁流になっていた。
 河童橋手前のビジターセンターに入りちょっと休憩。観光客も雨まみれになっていた。こんな日にも河童橋付近はとてもにぎやかでした。
 晴れていれば絶好の観光スポットでゆっくり橋の上からの景色を楽しむところですが早々に通り過ぎバスターミナルへ向かいました。
 簡単な食事とお土産を買って予定通りバスに乗りました。
 北陸自動車道の途中はキリが出て見通しが悪く事故の渋滞が長引いた。大阪まで3件の事故に遭遇し到着は大幅に遅れ大阪に着いた。
 日付が変わった最終電車に乗って何とか帰宅しました。
 
ファイル 214-2.jpg
 
・今回の山行は折立から登り上高地へ無事下山するのが第一目標だったので目標達成できました。
・北アルプスの秘境は冒険気分で楽しめました。終戦直後この辺りには山賊が住んでいたようで登山者に恐れられていたようです。
 『 黒部の山賊 アルプスの怪 』伊藤正一 著の舞台を正に歩いて来てとても感慨深い思いになりました。
・雨の中、ザック(23Kg)の重さに耐え、登り、下りを何度も繰り返し心が折れそうにもなりましたが独り自然の中に身を置いて自然の厳しさ、
 また美しさを体中に感じ、非日常の生活を楽しめました。
・計画通りテント5泊、食事は持参した食料(フリーズドライフーズ:α米、アスザックフーズ社製の山ごはんセット・スープセットなど)で
 賄うことが出来良かった。
・持参したデジカメは長時間の雨の中(湿度100%)でレンズの中が白く曇り思うように撮影が出来なかった。
 内1台が内部にも水滴が着き、電源が入らなくなった。カードにも水滴が着いていたが撮影したデータは読めて良かった。
 撮影した写真は900枚を超えたがお天気が良ければその倍の撮影はしたと思いました。
 
□~山行写真~□
https://plus.google.com/photos/100295378134712794957/albums/6049248670464575425

コメント一覧

久美子 (08/22 09:13) 修正

悪天候の中、無事下山、良かったですね~

のぶりんさんの、判断力、慎重な、行動が、無事故、
無事下山に、つながったのだと、思います。

貴重な、体験されましたね、、

23kgのザック、背負うだけでも、大変なのに、雨の
中、お疲れ様でした^^~~

のぶりん (08/22 23:51) 修正

久美子さんいつもありがとうございます。
道中辛くても、無事帰宅して写真を整理しているとまた行きたくなります。
あの時の辛さが今ではすっかり無くなってしまいました。
のぶりん