山岳会の気象講習会に参加しました。
気象遭難の当事者にならないために
「気象遭難は未然に防げる」
気象学の基礎、高気圧・低気圧、四季の天気の特徴・遭難リスクなど地上天気図からどう読み取れてどう天気が変るのかを学んだ。
地形図を読み取るのと似ているところも有る。
登山での遭難は様々ですが、特に高山において「低体温症」は夏山でも発生し生死に関わる遭難事故につながる。
気温は100m上がる毎に約0.65℃下がる、地上(標高0m)の気温30℃は3000m上空では、30-0.65×30=10.5℃となる。
夏山の3000mの高山では地上の冬の気温と同じ。夜間になると0℃近くに冷え込む。
また高山は遮るものが無いと風も強くなる。同じ気温でも体感気温は風速1m/sで1℃下がると言われる。
更に雨で衣服が濡れると気化熱で体温が奪われたり、疲労で体温を上げれない状態になり「低体温症」に陥る。そして対処を誤ると「凍死」に至る。
体温(直腸温)が33-30℃で意識が無関心や判断力低下になり、例えツエルト、ダウンなどの対策装備を持っていても使えなくなり
更に体温が下がり30-25℃で意識は錯乱・幻覚、25-20℃で昏睡・仮死、20℃以下で死亡となってしまう。
「低体温症」の初期状態は意識は正常で身体の震えが起こり体温を上げようと自己防衛が働く。この状態で山小屋への避難、ツエルト、ダウンなど着込んだり、暖かい飲み物を取ったり早めの体温維持などの対処をすれば症状は回復できる。
「低体温症」の遭難事例は2009年7月のトムラウシ山、2012年5月の白馬岳などが上げられましたが、今月末の北岳遭難の死因も低体温症の可能性が高いとされている。
これら気象が要因となる遭難は事前の気象予報情報から未然に防ぐことが出来る。
最近の予報は精度も高いしまた山での通信(ネット)環境も良くなり最新の情報を把握し対応したい。
但し自然は予測できない時も有るのでどんな状況でも対処できるようにしておきたい。
また登山では標高の高い地点の状態を示した高層天気図が有効で、気温・風の状態も分かり高山への登山には活用したい。