昨年に続き白山へ登ってきました。
13日大阪22:20出発~16日大阪23:00帰着。
白山は日本三山のひとつで最高峰の御前峰は標高2702mあります。
高山植物の宝庫と知られ登山道は整備され女性や子供も多く登られます。大阪からのアクセスも便利良く今回もJRの2階建てバスで往復しました。
出発数日前の天気予報は晴れでテント場からの星空観察も楽しみにしていました。しかし前線が近付き不安定な天気となりました。出発直前に大阪も雷雨となり現地金沢の天気も雨模様が確実となりました。家族からは止めるよう忠告が出ました。もちろん安全第一にしなければなりませんが天候の回復も予想し経験も有り決行にしました。
22時20分大阪駅前バスターミナル出発。
金沢まで特に雨の影響も無く予定通り翌6時前到着。
6時45分発、白山行き登山バスは流石空いていましたが雨が降らずに9時に登山口の別当出合に到着。登山届けを投函し、水2Lをザックに入れザックは20kgを超えました。当初計画の星空撮影のための大型カメラに三脚など装備が増えました。でも大型ザックも新調しとても担ぎ安くなったので楽でした。
9時10分登山開始、上りコースは砂防新道で昼過ぎにはテント場到着予定で進みました。上りに連れ雲がかかってきて雨が降りだし直ぐに雨具装着しました。登山道は危険な箇所は有りませんが不注意で滑ったり、躓いたりします。山の大小に関わらず一旦山に入ると気持ちを変えて歩かなければなりません。都会の道は平ですが山道は障害物だらけ。都会で怪我をすれば直ぐ救急車は来ますが山には来れない。
雨は直ぐに止んで甚之助避難小屋に昼前に到着し昼食休憩した。小屋の中も外も登山者でいっぱいでした。
南竜道を進み南竜山荘へ13時40分到着。ここでテント泊を申込(300円)。缶ビール500mL(700円)を買ってテント場へは10分程の所に有る。そこには備付の大型テントやケビン、炊事場小屋にトイレ小屋が有る。テント設営前にまた雨が降りだし荷物が濡れないよう急いで設営した。雨はほどなく止んだ。
しばらくして隣に10名程の男女の若いパーティが2張りの大型テントを設営した。大学のワンダーフォゲル部だと思った。
テントの中にいても近くの話し声は良く聞こえ色々掛け声、説明されるのが聞こえた。また雨が降りだし風も出てきた。
その日はテント場近くの散策とテントの中で過ごした。明るい内に食事を済ませ暗くなってすぐ寝た。
夜、雨風は強くなりテントに叩きつける雨音と風で音を立てて揺れるテントで何度も目を覚ました。
翌日の計画では2時に起床して5時に白山山頂からのご来光見るつもりでしたが強い雨降りでテント内で待機した。
隣のパーティは4時起床合図が有って雨の中テント撤収した。
ある会話がすぐ近くで聞こえた、「君のは重たそうやな、」そしてハカリで計る音、「30有るな・・・」、そう、ザックの重さが30Kg有るということです。その後減らされたのかどうかは不明。
6時前雨も上りサブザックに非常用品、昼食、水、カメラを入れてテント場を出発。コースは計画通りエコーラインを登って室堂を目指した。雨に濡れても健気に咲く多くの高山植物のお花に癒された。晴れていれば室堂から白山御前峰を望めるのだが辺り真っ白雲の中。8時50分登頂。山頂は雨は降っていなくても強い風で雲が当たるのでカメラのレンズ、メガネは直ぐ雲った。山頂のお池巡りコースを下りた。
直ぐに崩れそうな火山岩の道に注意しなが進んだ。晴れて入れば剣ヶ峰、大汝峰にも登頂計画でしたが残念。一つ目池に雪渓が崩れ氷河が崩れるような光景が入ってきた。雪渓は氷状態で自然が作り出した模様が神秘的でした。真っ白な世界に足元には至る所に高山植物が咲いていて楽しく歩けた。しかし登山道が不明瞭なところも多く周りが見渡せないので進みべき方向だけはコンパス、GPSで明確にして歩かなければならなかった。室堂近くまで下りる頃には天気は回復して日差しも出てきた。そして、白山のお花「クロユリ」の群生に今回初めて出会って感動した。
匂いを嗅ぐわなかったけど後から聞いた話ではトイレのような悪臭だそです。その匂いでハエを呼んで受粉させるようでちょっとびっくり。室堂前のベンチで山頂も晴れるのを待ちましたが、後から後から雲が通って行きました。
テント場への下山コースはトンビ岩コースを進みました。エコーラインと違って少しワイルドなコースでした。途中、沢に残った雪渓の上を歩きました。
中間ぐらいにトンビ岩と呼ばれる大きな岩が有ってその上にも登って来ました。そこから雲の間からテント場が正面に確認出来我が家のテントも見付け感激しました。テント場付近は山小屋と沢と緑の平原でどこかスイスの風景にも似てとても大好きなところです。
岩場の下山道にはお気に入りのコイワカガミのお花も沢山咲いていていっぱい写真を撮りながら下りました。そして山小屋で今夜のテント泊の申込をしました。テント場に戻る途中、山小屋の自然観察員によるガイドツアーでお花の説明をされていて一緒に参加しました。そしてテントに17時頃戻って18時半から山小屋でスライドショーもするということでまた参加させてもらうこになった。テントで夕飯を済ませ、明朝出発する為の準備をしてから山小屋に行った。参加者はツアーで一緒だった数人他でした。多い時には何十人も参加するというこでした。
いろいろ感心する説明を聞かせて貰えました。高山植物で有名なチングルマが草でなく木で有って年輪まで有ると知りました。簡単に折れてしまう繊細な木です。一時間程のスライドで白山のお花を勉強できました。小屋を出てヘッドライトを付け真っ暗なテント場への道を戻りました。
そしてテントに入って直ぐに寝ました。その夜は雨風が無くとても静かでした。
翌朝4時起床でテントから空を見ると星が出ていました。急いでカメラに三脚付けて星空の撮影に臨みました。しかし直ぐに雲に隠れてしまいました。
しばらくカメラをセットしましたが時折星が出るものの撮影出来るほど出てくれなかった。ザックに詰める用意をし簡単に朝食し辺りが少し明るくなってテントを出た。テント撤収して。荷物を全てザックに入れストックは出した。5時過ぎテント場を出発。小屋の前を通り南竜道を進んだ。
朝日が雲の間から山を幻想的に照らしていた。山小屋からテント場の景色が一望出来とてもきれいでした。脇の高山植物のお花は活き活きとして咲いていた。下山のコースは観光新道を進む計画だったので砂防新道からの分岐から黒ボコ岩まで登らなければならなかった。重いザックでしたが朝の体力有る内だから平気でした。ゆっくりゆっく登りながら晴れてきた山並の景色も楽しんだ。途中の水場の延命水も存分に飲めた。
普段は多い登山者で順番待ちが出来る程です。そしてこの日の最高地点の黒ボコ岩に7時15分到着。この先は室堂に進む弥陀ヶ原が有りザックを置いて少しだけ行ってみた。正面に今日も雲がかかった白山が見えた。黒ボコ岩にも登り下の方の景色は綺麗に一望できた。
別当出合までコースタイム2時間40分の下山道を進んだ。この観光新道は稜線を進む綺麗な景色と多くの高山植物も楽しめるコースです。
写真を撮りながらの下山だったので予定よりは遅れがちでしたが余裕の時間だったのでゆっくり慎重に進んだ。青い空に高山植物がいっそうきれいに映えた。そして別当出合への分岐から急な下りが始まりました。石で積んだ階段の間隔が大きくなり濡れた岩も有り一番の緊張する時でした。
無事別当出合の登山口に20分遅れで11時20分到着しましたが、市ノ瀬行きのシャトルには予定通り11時30発に乗れました。
市ノ瀬ビジターセンター前でバスを降り正面にある永井旅館へ温泉に入りに寄りました(入浴600円)。旅館は山奥の田舎の風情が有ってお風呂場それ程広くは無かったけどその時入った人は二人だけだったのでゆっくり温泉を楽しめた。温泉は源泉を上流500m先からパイプで汲んでいて少しぬるめの源泉垂れ流しのお風呂を独り占めできた。汗も疲れも流しビールを飲んでバスの来る時間までくつろいだ。
13時45分、別当出合からの金沢駅前行急行バスに乗った。帰りのバスも空いていた。予定通り16時金沢駅前に到着し簡単に食事したりした後17時発大阪行JRバスに乗って少し遅れましたが23時大阪駅前バスターミナルに到着。そして妹の好意で車で自宅へ送ってもらえました。
今回の白山登山は天気予報に心配し目的の星空撮影に望みが無くなりとても悩みました。山も天気も自然、そう思い通りに行かないことも有る。
だからあえて自分との挑戦と僅かな奇跡・望みでもそれを持ち続ける気持ちを無くさない為にも決行しました。実際は高山植物に山の空気に癒され天候もひどくならないで、温泉にも入れゆっくり山を楽しめた3日間でした。次、晴れの白山を登れるのを楽しみにしています。